上西 康平/Kohei Kaminishi
研究内容
"A Neural Controller Model Considering the Vestibulospinal Tract in Human Postural Control," Y. Omura et al., Frontiers in Computational Neuroscience 16, 785099 (2022). DOI:10.3389/fncom.2022.785099
立位姿勢の維持に重要な役割を果たすのが、網様体脊髄路と前庭脊髄路という2つの下行路です。我々はこれまでに、筋骨格モデルの立位姿勢を維持できるような神経系コントローラモデルを提案してきましたが、前庭脊髄路の機能のモデリングは不十分でした。そこで、以前の神経系コントローラモデルに、前庭脊髄路の機能を模した制御を加えたのが本論文です。シミュレートされたモーションの、足圧中心の速度やパワースペクトル密度を計算し、前庭障害患者を扱った研究のデータと比較することで、構築した神経系コントローラモデルを評価しました。
"Passive Way of Measuring QOL/Well-Being Levels Using Smartphone Log," W. Yao et al., Frontiers in Digital Health 4, 780566 (2022). DOI:10.3389/fdgth.2022.780566
Quality of life(QOL)やwell-beingのように様々な角度からメンタルヘルスを評価できることは、精神疾患の予防等に役立ちます。本論文では、(他のウェアラブルデバイスは使わず)スマートフォンログのみから、QOLやwell-beingに関するアンケートスコアの変動に関して推定を行いました。3種類のアンケート(PANAS、FS、SUBI)のスコアが前の週に比べて上昇するか、そしてそのユーザの平均スコアに比べて高くなるか推定するモデルを、random forestで構築しました。その結果、F-scoreは0.739から0.818の範囲になり、推定できる可能性が示されました。先行研究と同様に、スマートフォンの加速度や傾き等のphysical activityに関連した特徴量が重要であることが分かりました。