研究業績

情報処理学会論文誌 64, 1, 134-144 (2023)
スマートフォンログに基づくwell-being指標と下位尺度の推定

著者

濱谷 尚志, 山本 直樹, 荒川 大輝, 檜山 聡, 姚 文昊, 上西 康平, 太田 順, 寺澤 悠理, 沖村 宰, 前田 貴記

カテゴリ

雑誌論文

Abstract

近年スマートフォンの普及が進んでおり,スマートフォンを用いたヘルスケア技術に期待が高まってきている.スマートフォンは日々ユーザが持ち歩き,使われるものであるため,well-being(身体・精神・社会的に健康で幸福である状態)などユーザの心理状態を反映することが期待できる.本研究では,スマートフォンに搭載されるセンサや利用履歴より得られる情報に基づき得られる行動特徴量をもとに,利用者のwell-beingを推定する.さらに,スマートフォンから得られる行動特徴量の異なる側面に着目することで,well-beingの総合的な指標だけでなく,well-beingを構成する要素(身体的健康や家族とのつながりなど)を推定する.実際に90人から321サンプルを収集し,クラスタリングにより特徴量の傾向が類似するユーザ群を集めて推定モデルを構築し評価を行った結果,全体のwell-being申告値が低下するかどうかの2クラス分類問題においてF値=0.907,7種類の下位尺度について平均F値0.682-0.874の範囲でそれぞれ推定でき,クラスタごとに異なる種類の特徴量を利用することでより高い推定精度が得られることを明らかにした.
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